2018年5月30日 (高橋厩舎の日常)
5月のラストウィーク、メイショウテッコンが見事に逃げ切り勝ちを決めてくれました!
厩舎にとっても5月は勝ち星を挙げることが出来ていませんでしたので、本当に嬉しい1勝となりました。
またメイショウテッコン自身にとっても、最後の一冠菊花賞も含め、今後に向けて非常に価値ある勝利だったと思います。
今回は中間に少し疲れを見せたところもあり、体調を戻すこととメンタル面を整えることに重点を置いて調整しました。それほど攻めてはいないので、肉体面では半信半疑なところもありました。
ただ、競馬ではパドックや返し馬でもいつもよりイレ混んでいるようには見えなかったので、これなら普通に走れるかな?と思っていましたが、しっかりその強さを見せてくれました。以前から言っていましたが、この馬は本当にポテンシャルが高いです。
この後は放牧に出る予定ですが、上手く休んでもっともっと力を付けてほしいと思います。夏以降の大きな舞台で活躍することを楽しみに待ちましょう(^^♪
そして、もうひとつー。
渋川助手もブログで書いてくれましたが、先週の金曜日にクリノスターオーが登録を競走馬抹消し引退となりました。
僕自身すごくすごく思い入れの強い馬です。
重賞勝ちの経験は勿論ですが、初めて海外競馬を観戦したのもスターオーのコリアカップでした。
3年前、初めて重賞を勝った頃から、幸騎手が「この馬は本当に強いですよ。乗り味が凄いです。力さえ出してくれればダートのトップクラスが相手でも全く引けを取らないと思います」そう言ってくれたことが本当に誇らしくもあり、嬉しかったのを憶えています。
迫力あるピカピカの馬体は、サラブレッドの美しさと力強さが全て詰まっている感じがしました。その反面、メンタル面は本当に難しくて…。競馬でも調教でも痛いことや嫌なことがあるとすぐに止めてしまうその性格…。
調教では何度も何度もゴネて乗り役を困らせました。また爪の弱さもあり、装蹄師と相談しながら毎回競馬まで工夫して臨みました。強さと脆さが同居する彼の個性に惹かれて、応援してくれるファンも非常に多かったと思います。
最初に入厩してきた時からもう6年近くが経ちました。その間に35戦。そのうち重賞競走には27回も出走しました。
最後となったレースは3年前に初重賞制覇となった思い出の平安ステークス。結果は15着でしたが、この馬のことを一番わかってくれている幸騎手が跨ってくれての結果だったので、悔しさもそれ程無く、清々しいような不思議な気分でした。
競馬が終わった次の日、厩舎の馬房で見たスターオーはやっぱりケロッとしていて、全く走っていない様子でした。それでも故障もせず無事に引退することができたことにホッとしています。
これから彼は乗馬として第二の馬生がスタートします。
グッドルッキングホースなので、やっぱり誘導馬になってほしいなぁと考えてしまいますが、スターオーがお利口に出来るかなぁ…とも考えてしまいます 笑
どんな道へ行っても、スターオーが沢山の皆様に愛されますように。。
ずっと元気で長生きしてくれることを願っています。
武田