初めて研修期間を経ずに開業となった高橋調教師。自己紹介も兼ねていくつかの質問に答えてもらいました。
調教師ご自身は海外で馬の世界を目指すことになったと伺っていますが?
私はそもそも飛行機が好きで、大学まで経済学を学びながらパイロットをめざしていたんです。
ただその前に、色々な世界が見たくて父(高橋成忠元騎手・調教師)にも相談したら「海外で馬をみてきたらどうか?」という話になりまして、牧場の方の紹介もあって英国に行かせてもらうことになったんです。
語学の勉強をしながら馬もやらせてもらっていたところその奥深さに引き寄せられ「競馬の世界もいいな」と思ったのがそもそものキッカケなんです。
そうしますと修業自体は海外で始まったのですか?
はい、当初はノースヨークシャーのクリス・ソーントン厩舎にお世話になっていました。
朝から晩まで馬のことばかり考えている日々でしたが、競走馬の騎乗にも慣れた頃に、ニューマーケットのマーク・ブレスコット厩舎に移り、担当馬と共に競馬場にも数多く行かせてもらいました。
大変刺激的な日々を送ることができました。
競馬に常に携わっている感覚が持てるようになったことが、良い修業になったと思っています。
日本との違いで戸惑いもあったと思いますが?
日本でも父の仕事を見ていたのですが、調教の仕方や飼料の与え方など、常に考えさせられることだらけでしたね。
飼い葉にしても、向こうは必要な物を与えておいて、あとは牧草を食べさせるスタイルでしたけど、その当時の日本は1歩も2歩も遅れをとっていたように思います。
現在の日本の飼養管理は世界最高水準にあると思いますが、私の厩舎における飼い葉管理に関しても、修業時代のころの海外経験が大きいのは確かですね。